
夜更けの灯台
夜更けにだけ灯る灯台。
その明かりの下で、静かに物語を書いています。
「夜更けの灯台」と申します。
日常のふとした瞬間、 誰かの心の奥にある微かな揺らぎ、
世界の継ぎ目のような“なにか”を 物語としてすくい取れたら—
そんな気持ちで書いています。
SF、現代ドラマ、青春、メタフィクションなど、
ジャンルの境目を行き来するような作品を 目指しています。
どうぞ、あなたの夜のひと時に、
少しだけ灯りがともりますように。
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Chapter01 / Ep00_プロローグ
chapter01/ep00.mdx
Ep00_プロローグ
1# Chapter 01 - Ep00: Prologue23────────────────────45System: Initializing...67・8・9・10・1112真っ白。1314世界が、白く染まっていく。1516足元から、指先から、髪の毛の先から――すべてが光の粒子となって、空へと溶けていく。1718痛くない。19怖くもない。20ただ、静かに、消えていく。2122息を吸う。23吐く。24その音すらも、もう聞こえない。2526「……ねえ」2728誰かの声。2930「聞こえる?」3132震える声。33それでも、諦めていない声。3435「私たちが――」3637ノイズが、走る。38視界が、砂嵐に侵食される。3940「――ここにいた、証が」4142──────────────────────────────────────43《SYSTEM LOG》44>> CRITICAL ERROR: World data corruption detected.45>> Sector: 0x415350 (ASP)46>> Timeline integrity: VIOLATED47>> Data consistency: FAILED48>> Emotion overflow: MAX (640/640 days)4950>> Initiating emergency shutdown protocol...51>> Countdown: 00:00:0352──────────────────────────────────────5354最後に聴こえたのは、歌声だった。5556誰かが、歌っている。57いや――みんなで、歌っている。5859ギターの音。60ベースの震え。61ドラムの鼓動。62キーボードの旋律。6364そして、彼女の声。6566世界を終わらせるための、祈りのような歌。6768────────────────────69>> 00:00:0270────────────────────7172空が白く、弾ける。73建物が、データの塵となって舞い上がる。7475でも、音だけは――76音だけは、最後まで響き続けた。7778────────────────────79>> 00:00:0180────────────────────8182「■■■■■」8384誰かが、微笑んだ。8586「――■■■■」8788──────────────────────────────────────89>> 00:00:0090>> SYSTEM HALTED.91>> ................92──────────────────────────────────────9394────────────────────9596そして――9798世界は、静寂に還った。99100────────────────────101102◇ 640 days ago.103◇ It all began on a spring day.104105────────────────────106107プツン。108109音が、途切れた。110111次の瞬間。112113目の前に広がっていたのは――114115澄み渡る、青い空だった。116
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